こんにちは。GTM営業開発本部CoEのR.Mです。世界中にある新しい製品やソリューションをローカライズしたり、新しい市場への導入検討などの企画を主に担当しています。
本ブログでは先日弊社とパートナー契約を締結したVusionGroupのご紹介をしたいと思います。
VusionGroupの製品・ソリューションは多岐に渡りますので、今後何回かのブログに分けてご紹介していきます。今回はまず、会社紹介から始めたいと思います。
本題に入る前に、皆さんはシスコ エコシステム パートナーをご存じでしょうか。
シスコ エコシステム パートナーは、シスコの技術や製品と他の企業のソリューションを組み合わせて、新しい価値を生み出すためのパートナーシッププログラムです。
このプログラムは、スタートアップ企業や特定領域でユニークなビジネスアプリケーションやノウハウを持つ企業とシスコが協力し、デジタルトランスフォーメーション(DX)を推進することを目的としています。
参加企業の例としては:
スタートアップ企業:新しいアイデアや技術を持つ企業
特定分野の専門企業:医療、教育、製造、小売などの特定分野・産業で強みを持つ企業
などになり、VusionGroupもこのエコシステム・パートナーの一つになります。
目次
VusionGroup:小売業の未来を切り拓くリーダー
VusionGroupはフランスに本社を置くリテール(小売)IoT及びデジタルソリューションのリーダー的な位置づけとされています。物理的な店舗をデジタル化する技術を提供する会社であり、小売業界をより効率的で持続可能なものにすることを目指しています。グローバルで3億5千万以上のIoTデバイス、店舗数にして3万5千店舗以上に導入されている知る人ぞ知る有名企業です。
主に展開されている地域としては、ヨーロッパを中心として北米が主な範囲ですが、ここ数年でアジアへの展開も徐々に進めています。
世界での導入事例を見ますと、ウォルマート、アマゾン、イケアなど錚々たる顔ぶれの企業に導入されています。一方、日本での展開は2、3年前から本格化したばかりなので、まだあまり知られていないのが現状ですが、導入事例としてはノジマ電気の全店舗、イオン九州、ゆめタウンなどのショッピングモールがあります。
VusionGroup:何をしている会社?実は革新的なハイテク企業
VusionGroupは、どういった製品やソリューションを提供しているのでしょうか。リテールIoTといってもなかなかピンと来ないと思いますが、一番分かりやすいところで言いますと、電子棚札(Electric Shelf label=ESL)になります。下図にあるような製品が電子棚札なのですが、ああ、なるほど、最近たまに見かけるなって思った方もいるのではないでしょうか。
この電子棚札により、店舗内の価格や商品情報をリアルタイムで更新できるようになります。
例えば、商品の価格が変わったときに、すぐに棚のラベルも更新されるので、正確な情報を消費者に提供できるようになりますし、店舗側も値札の管理が容易になります。
また、この技術は他の製品と連携することで在庫管理や棚補充の効率化にも役立ちます。オンライン注文が増える中で、店内ピッキングの生産性を向上させることもでき、顧客満足度の向上にも寄与しています。
このようなIoT製品を販売しているVusionGroupですが、全世界で800数名いる社員のうち、実に30パーセントがR&D(リサーチ&デベロップメント)に従事していて、リテールに関する独自の研究開発を常に続けて成長している会社でもあります。
ですので、当然多くの特許も取得しています。世界で最初に電子棚札を発明し市場に導入したのもVusionGroupの前身であるSES Imagotag社によるものです。今後のブログでも紹介するCaptana(キャプタナ)と呼ばれるAIカメラ製品にも特許申請されている技術の一部が利用されています。
アジア地域では台湾にR&Dセンターがあり、アジア市場でのマーケティング研究や製品の製造も、こちらを中心に行われており、日本を含むアジア向けの製品の多くは台湾から出荷されています。
VusionGroupの製品・ソリューション概要について
では、改めてVusionGroupの主な製品とソリューションについて見てみましょう。
各製品の詳細については今後ブログで順次ご紹介していく予定ですので、ここではざっくりと概要だけ説明していきます。
- 電子棚札(ESL): この棚札は店舗内の価格表示をリアルタイムで更新できるため、価格の誤りを防ぎ、消費者に正確な情報を提供します。また、店舗スタッフの作業負担も軽減され、より効率的な店舗運営が可能になります。
- VusionCloud: クラウドベースのプラットフォームで、店舗データを一元管理し、リアルタイムで分析・活用することができます。その結果、店舗運営の効率化と迅速な意思決定が可能になります。
- AIカメラ: 店舗内の状況をリアルタイムで監視し、在庫管理や顧客行動の分析に役立ちます。これにより、商品の配置やプロモーションの効果を最適化することができます。
- デジタルサイネージ: 店舗内外でのプロモーションや情報提供に使用されるデジタルディスプレイです。顧客に対して魅力的なコンテンツを提供し、購買意欲を高めることができます。
- Memory: VusionGroupのデータストレージソリューションで、大量のデータを効率的に保存・管理することができます。これにより、データの安全性とアクセスの迅速性が向上します。
これらの製品(電子棚札、AIカメラ、デジタルサイネージ)は単独でも導入、動作する事ができますが、互いに連携させることで、より効果的に店舗で起きている事象をデータ化し様々な観点からダイナミックに把握することができるようになります。
VusionGroupのミッションとコミットメント
VusionGroupが目指す小売業におけるゴールは、店舗にあるすべてのものをIoTでデジタル化し、それらのデータをクラウドに送り、そのデータを情報として利活用することにあります。それによって店舗オペレーションの効率化やデジタルマーケティングの促進、サプライチェーンの最適化を目指し、そしてそれらの包括的な活動を通じてデータを収益化の大きな柱にする、というのが彼らのミッションゴールになっています。
またVusionGroupは、物理的な小売店舗における持続可能性の向上にも取り組んでいます。超低炭素IoTデバイスを開発し、既存のインフラをより効率的なeコマース資産に変換することで、小売業者が在庫を削減し、品切れを回避し、廃棄物を最小限に抑えるのを支援しています。
具体的な取り組みとしては、以下のようなものがあります:
・エネルギー効率の向上: VusionGroupのデバイスは、エネルギー消費を最小限に抑える設計がされています。これにより、店舗の運営コストを削減し、環境への負荷を軽減します。
・廃棄物の削減: 在庫管理の最適化により、必要以上の在庫を持たないようにし、食品廃棄物を削減します。また、賞味期限の管理をデジタル化することで、食品の無駄を減らすことができます。
・持続可能な材料の使用: VusionGroupは、製品の製造において持続可能な材料を使用することを重視しています。これにより、製品のライフサイクル全体での環境負荷を削減します。
小売りだけではない、VusionGroupの産業用ソリューション
VusionGroupは主に小売業に特化したソリューションを展開している会社ではありますが、製造業、他の産業用のスマートラベル、在庫管理、自動再注文の位置情報管理などのソリューションもあります。
製造業や物流業における製造部品の管理や、商品の物品管理や製品の組み立て工程における、ネジなどのC-Parts部品のピッキング指示としての利用や在庫部品の重量を管理し、一定の閾値になったら自動的に再注文をする、などといったソリューションもご提供可能です。これらのソリューションにもご興味がありましたら、弊社までご連絡ください。
最後に
以上、簡単ではありますが、VusionGroupの会社とソリューションの概要をご紹介しました。今後は各ソリューションについて、さらに詳しくブログでご紹介していきます。次回は、電子棚札について詳しくお伝えする予定ですので、どうぞお楽しみにお待ちください。
ブログのまとめ
◆VusionGroupの紹介: フランスに本社を置くリテールIoT及びデジタルソリューションのリーダー
◆シスコ エコシステムパートナー: シスコの技術と他企業のソリューションを組み合わせ、DXを推進
◆主要製品:
・電子棚札(ESL): 価格表示をリアルタイムで更新
・VusionCloud: 店舗データの一元管理と分析
・AIカメラ: 在庫管理と顧客行動の分析
・デジタルサイネージ: プロモーションや情報提供
・Memory: データストレージ分析ソリューション
◆ミッションとコミットメント: IoTで店舗をデジタル化し、データを収益化。持続可能性の向上にも取り組む
◆産業用ソリューション: スマートラベル、在庫管理、自動再注文など、製造業や物流業にも対応