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Customer Success活動について

Cisco Customer Success Boot Campは、CiscoのPartner Successが主催するワークショップ形式のイベントです。これからCustomer Success活動を本格的に始めるパートナー企業が、どのような活動を行うべきか、活動の障壁となる要因は何か、現実的な体制はどうあるべきかなどを実践的に学ぶ場として、多くのパートナー企業が参加しました。

当社は、CiscoのCustomer Success活動を先進的かつ積極的に実施しているパートナー企業として、これから活動を始める企業の参考となるよう、組織づくりや活動の進め方についてご紹介する機会をいただきました。今回は、その際にお話しした内容をご紹介します。

活動の背景と課題

当社でのこれまでのCustomer Success活動をまとめ、今後活動を始めるパートナー企業の参考になればとの思いから、できる限り率直にご紹介しました。

まず、社内でCustomer Successを推進する際に難しいのは、「Customer Success」という抽象的な言葉に対して、部門ごとに異なる捉え方や進め方が存在することです。例えば、営業部門では売上につながる施策として捉え、テクニカルサポート部門では顧客満足度向上の取り組みとして捉える傾向があります。

しかし、Customer Satisfaction(顧客満足)とCustomer Success(顧客成功)は異なります。Customer Successとは、顧客のビジネスの最大化を支援し、ロイヤリティを高め、製品やサービスの利活用を促進する活動です。最終的にはNPS
(Net Promoter Score)を用いて、顧客がどれほど当社のサービスに愛着を持ち、他社に紹介したいと思っているかを測ることができます。

ワークショップの様子
顧客成功の鍵を探るワークショップ。スクリーンには活動の全体像が映し出されています。

活動の進め方とCSMの役割

Customer Success活動では、顧客のニーズを傾聴し、業務効率化や自動化、作業の簡素化などの課題を、ツールやベストプラクティスを活用して解決していきます。その過程で信頼関係を築き、保守契約の切り替えや新分野でのビジネスパートナーとして選ばれることで、アップセルやクロスセルにつながります。

このアプローチは、従来の営業やプリセールス活動とは異なり、既に製品やサービスを導入済みの顧客に対して行う活動であるため、新規開拓営業にはあまり向いていません。

サブスクリプション型ライセンスやSaaSサービスでは、月額で利用できる一方、いつでも解約できる手軽さがあります。その中で、継続的に利用してもらうためには、当社のサービスでなければならない理由が必要です。

Customer Success Manager(CSM)は、機能紹介や活用方法、他社事例、メーカー推奨設定やベストプラクティスを提供し、サービスの利活用を促進します。これにより、他社への乗り換えを検討する必要がなくなり、便利で効率的な業務が定着し、契約の継続につながります。

継続利用と契約更新への貢献

CSMは、解約率を下げ、契約を継続してもらうために、顧客の立場で考える必要があります。導入された製品やサービスが活用されず、利用率が低いままでは、契約満了とともに解約されてしまう可能性があります。

そのため、導入後も積極的に使ってもらい、使い方を理解してもらう活動が重要です。営業部門は販売後に手が離れがちで、テクニカルサポート部門はトラブルがないと接点を持ちにくい中、CSMは定例会や機能紹介、ベストプラクティスの共有、トラブル発生後の予防策提案など、多くの接点を持つことができる唯一の職種です。

この活動は、次の提案活動にもつながり、CSMが得た顧客の課題やペインポイント、担当者の声などをチームに共有することができます。

社内浸透とCX(顧客体験)の向上

Customer Success活動が社内に浸透すると、顧客からの相談内容も変化します。例えば、「半年後に契約更新が控えているので、今のうちから利活用を進めたい」「年間契約なので、良好な関係性を築き、定期的な接点を持ってほしい」といった相談が増えます。

Customer Success活動は、アップセルやクロスセルなど売上につながることを目的としていますが、必ずしも短期的に売上に直結するわけではありません。中長期的には、解約防止やライセンス数の維持、買い増しなど、売上の維持・向上に貢献する活動です。

活動原資と他社との連携

こうした活動の原資として、販売に応じた報奨金(リベートやインセンティブ)の活用をおすすめします。報奨金を多く獲得できるように活動することが、結果的に顧客のためになることも多く、Win-Winの関係を築くことができます。

また、Customer Success活動は既存顧客に対して行うため、競合との直接的な競争が少なく、他社と活動内容を共有しやすいという利点があります。営業手法や提案書の共有は難しいですが、Customer Success活動は他社に乗り換えられるリスクが低いため、ベストプラクティスの共有がしやすく、活動の質を高めることができます。

実際に他社に活動内容を共有してもらうために連絡を取り、快く情報提供を受けることができました。それを参考に、当社内でもより良い活動を考え、事例を増やすことができています。

ワークショップの様子
現場の声を交えたリアルな事例紹介に、参加者の関心が集まります。

最後に

このような内容を、Cisco Customer Success Boot Campにてお話しさせていただきました。
当社のCustomer Success活動にご興味がございましたら、ぜひお気軽にご相談ください。事例を交えてご紹介させていただきます。

 

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